インタビュー NO. 7:川村 景
ー簡単な自己紹介をお願いします。
大学では版画ではなく版表現を学び、固定された版画技法の表現方法に囚われない作品制作を
目指しています。現在は制作と並行して訪問診療のアシスタントをしており、患者さんの自宅
に入り内装を見る事があります、ほぼすべてのお宅に芸術に関わらずなにかしらの作品があり
身近に飾ってあると日々感じています。
ー川村さん自宅に美術作品を飾ってますか?
飾ってます。自分の作品を飾っています。額に入れて完成と考えているので多くの作品を額に
入れています。
ーどのあたりに飾られてるのですか?
家の中の広い壁に飾っています。
賃貸なので穴を開けれないので結果的にピンで紐を吊るす小さい作品がメインになります。
ー作品以外のものも何か飾られていますか?
インテリアショップに売られているような小物(海外製のノンキャクター人形や動物)やお菓
子の空箱などを作品と合わせて飾っています。
ーコレクションがメインの目的になっている様な物でしょうか?
はい、近いと思います。
ーご自身の飾ってる物の話でしたが、次の質問についてです。
川村さんはご自身の作品が、どのように「飾られる」または「保管される」か想定して作品を
作りますか?
制作の段階では特に考えてないですね。
ー考えている作家さんの方が少ない様ですね。展示の際は考えますか?
展示の時は考えますね。
ー展示終了以降というのはイメージしづらいのでしょうか。
しづらいですね。作品自体のその後は特に思う事はなく、画像としてweb上などに残り、多く
の人に見られる事が作品にとって幸せじゃないかと考えています。
ーそれでは最後の質問です。この質問はご自身が提案した質問ですよね。川村さんはインテリ
ア として芸術作品を考えられますか?
考えられます。
この質問をした時も展示メンバーの複数が知り合いの為、若干悩んだ後に【考えられる】と答
えるのかなと想像していました。
メンバー全員が芸大出身で、広域的に芸術を考えて来られていると思い、予想をした上でこの
質問にどう回答するか気になり質問を入れました。
ーでは絵が飾ってある空間のイメージというのはどうでしょう?
先ほどのアルベルトさんのインタビューで非日常が理想という事を聞いて、自分の中で思った
事は真逆で誰かの日常に自分の絵があればいいと思います、特に生活がある部屋などに。
ーなるほど・・・逆に生活や所有する人に同化するイメージなんですね。
そうですね。普段は仕事のほうで訪問診療のアシスタント事務を行っており、患者さんの家の
中に入る事が多く、どこのご自宅にも何かしらのアート作品やそれに近いものがあり、「これ
いいですね」とお声がけさせていただくと、喜ばれたり思い出を聞かせてくれたりする事があ
ります。
ーコミニケーションをとるきっかけや、そのご家庭を知るヒントになるんですね。
お仕事の関係からご自宅の中の空間を少し考える機会が多くなったのでしょうか?
そうですね、逆にギャラリーなどでホワイトキューブに作品があると違和感を感じる様になり
ました。
ー作家自身の普段の視点が、作品が飾られるイメージに影響がある様に感じました。本日はお
話誠にありがとうございました。
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川村 景 KAWAMURA Kei
1990 千葉県生まれ
2014 東京造形大学造形学部美術学科卒業
2016 東京芸術大学大学院美術研究科修士
《主な受賞歴》
2021 第8回 山本鼎版画大賞展 サクラクレパス賞
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